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こんにちは!ブログ担当のYuyaです!
今回のブログは町田市立つくし野中学校さんから熱いコールをいただき、ボーダレスハウスのメンバーが出張授業に行ったお話です。
コロナ禍で職場見学や課外授業がなかなかできなかったこの一年。
ボーダレスハウスの授業を通して少しでもSDGsや社会問題について考えてもらえればと思い、話す内容を悩みに悩みながら出張授業に挑んできました!
SDGsを「自分ごと」に。中学生の皆さんに多文化共生について授業をすることに!
今回の授業のテーマは「SDGsを自分ごとにすること」。
SDGsとはすべての人にとってより良く、より持続可能な未来を達成するための世界共通の17種類の目標です。
ボーダレスハウスのビジョンは「差別偏見をなくし、いろいろな人がお互いのバックグラウンドを認め合える多文化共生社会」です。
多文化共生社会とは「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的な違いを認め、対等な関係を築こうとしながら、共に生きていく社会」です。
これはSDGsの目標10の「人や国の不平等をなくそう」と共通するビジョンです。
今回はそのビジョンを達成するためにどんな事業を行なっているか、そして差別偏見への私たちの想いをお伝えするべく、ワークショップおりまぜながら中学3年生、40名への授業をしました。
熱いパッション溢れるバックパッカーとラッパーコンビが送る出張授業!
参加したメンバーはボーダレスハウスの元気印の2名!笑顔弾けるコミュニティクリエーターのタッキーと、ユーモアの塊!東京統括チャン!
ボーダレスハウスのスタッフはそれぞれ実現したい社会への熱い想いを持っています。
今回、出張授業に挑んだタッキーは、大学生時代に旅行やバックパックで25カ国を周り、異文化に触れてきた経験の持ち主。
人生をかけて「様々なバックグラウンドを持った人々が、自身の個性をのびのびと発揮できる社会」を実現したいという思いでシェアハウスでの入居者サポートやコミュニティをサポートするコミュニティクリエーターとして働いています。
もう1人のチャンは在日韓国人の3世としての経験から「知らないのに嫌いになるのはもったいない」という想いで、人々が異なる価値観や文化を好きになるきっかけを作り続けています。
今回はそんな熱い2人がボーダレスハウスのTシャツに身を包み、本気で中学生の皆さんと一緒に多文化共生について考えました。
ビジネスでSDGsは達成できるのか。多文化共生社会に触れるビジネスって?
ボーダレスハウスの事業内容やビジョンを織り交ぜ、以下の流れで講義内容を行いました。
①ソーシャルビジネスの説明~ボーダレス・グループの挑んでいること
②ボーダレスハウスの成り立ち~ボーダレスハウスの目指す差別偏見のない多文化共生社会とは
③差別・偏見について考えるワークショップ~ワークを通して触れる、考える無意識の偏見
ボーダレス・グループの挑んでいること
企業がSDGsにアプローチする方法といえばCSRなどのイメージが強いのではないでしょうか?
ボーダレスハウスの取り組みは少し違います。
ボーダレスハウスは社会問題をビジネスで解決するボーダレス・グループの一員。
企業の事業とは別で社会貢献をするのではなく、事業そのものが社会問題の解決に直結しています。
寄付金などの外部資金に頼らず自社で事業収益を上げることで、継続的な社会支援を可能にしているのです。
このビジネスの仕組みをソーシャルビジネスといいます。
ボーダレスハウスの目指す差別偏見のない多文化共生社会とは
ボーダレスハウスは国際交流シェアハウスを運営しています。
この事業は日本に来た外国人が家主から断られて家を借りられないという問題に対して始まりました。
その成り立ちやビジョンを説明しているときに、こんな鋭い質問を中学生の方からいただきました。
「国際交流シェアハウスに参加しようとするのは異文化に関心がある人だけで、
差別の原因となっている異文化に無知無関心の人は来ないのでは?そのような人に興味を持ってもらうにはどうしていますか?」
異文化や差別偏見に関心のない人々が、知らない会社の関心がないサービスの話を聞くのは確かに難しいかもしれせん。
しかし、それが知っている人からの話になると人は耳を傾けます。
無知無関心の方に直接アプローチするのではなく、まずボーダレスハウスのビジョンに共感して価値観をもっと深めてくれた入居者さんを増やしていくこと。
そして入居者さんがまた誰かと出会ったときに、ボーダレスハウスの想いを伝播させてくれていくことで結果的にアプローチできています。
私たちはこの循環を増やしていくことを大事にしています。
ワークを通して「無意識の偏見」を考える
具体的な「差別や偏見」とはどんなものでしょうか?
Black Lives matterや、コロナウイルスによるアジア人差別、元オリンピック委員会会長の女性蔑視発言など。
意識すれば私たちにとってはそんなに遠くない問題です。
中学生の皆さんにも自分自身の日々の中での無意識の偏見についてワークを通して考えてもらいました。
ワークでは実際にいたボーダレスハウスの入居者さんの文字情報をもとに見た目や性別、性格などを連想してもらうというもの。
例えば「いつもネイルを綺麗にしていて、お話も大好きな明るい人。お掃除好きでシェアハウスをきれいに保ってくれている」という情報で中学生の皆さんに人物を想像してもらいました。
皆さんの予想の多くは「ネイルをしているし、お掃除も好きだからきっと小柄な女性」ではないか。という反応。
しかしこちらの入居者さんは実はムキムキに鍛え上げている男性の方でした。
最初は偏見なんて自分にはないと思いながらワークに挑んでいた中学生の皆さんもびっくり!
無意識に自分の中でラベリングをしていることに気づいてもらうことができました。
私たちが出張授業を通して伝えたかったこと
ボーダレスハウスの取り組み、そして今回の講義で伝えたかったこと、それは自分のバイアスに気づき、対話していく重要性です。
差別や偏見意識は意識しないと気づかないことが多いもの。
だからこそ身近に感じにくい問題かもしれません。
しかし、誰しもが知らず知らず持っているものだと認識してもらうことで、無意識に人を傷つけてしまったり、自分や誰かの能力を抑制してしまうことが少なくなります。
その心構えを一人一人が持つことが、問題が自分ごとになり、お互いの個性を尊重しあえる多文化共生社会に繋がるとつくし野中学校の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。
中学生の皆さんから嬉しい感想が!「無意識に自分の中にも偏見があるのだと気づくことができました」
出張授業は大成功!授業の後につくし野中学の皆さんから嬉しい言葉をいただけたので、いくつかシェアさせていただきます。
「今日のお話を聞いて、人は意識していなくても、無意識のうちに他者を差別、偏見の目で見てしまっていることを知りました。無意識のことなので、すぐに改めることは難しいですが、それを思ってしまったあとにすぐに間違っていたな、と思えるようになりたいです。このようなことを私達が周りに広めていって、一人ひとりが居心地の良い社会になってほしいです。」
「差別や偏見は無意識に起こるものであり、かなり身近にあるものだと思いました。例えば、メガネかけている人は真面目や、優しい人は何をしても怒らない、など第一印象も含まれるのかなと思いました。
また、今日のゲームで、一人一人価値観が違うと、実感しました。私は様々な人がいる世の中で相手を尊重し、受け入れることがどれだけ大切で難しことかを学び、今からでも取り組もうと思いました。」
「SDGsは世界規模の問題なので、自分には遠いものだと思っていたけれど、私達中学生にも小さいながらも出来ることはあるのでやっていこうと思いました。
勝手な偏見を持たないで、多くの人と深く関わっていきたいです。」
中には、ボーダレスハウスの想いを伝えていくためにTシャツが着たいです!どこで売っていますか?という嬉しい声まで!
私たちのお伝えしたい想いが皆さんに伝わって、私たちにとっても良い機会になりました。
ボーダレスハウスはこれからも多文化共生社会へトライしていきます!
ボーダレスハウスの考える多文化共生社会というテーマを、改めて考えさせられた出張授業。
今後もこのような機会にどんどん挑んでいきたいと思います。
というわけで、ボーダレスハウスでは多文化共生・異文化理解、多様性についてこれからも発信していきたいと思っています。
国際交流シェアハウスから生まれる新しい多文化共生について、これからの日本で外国人と日本人が共に生きていくには?など出張授業や講演のご用命はこちらの窓口まで。
皆さんとお会いできることを、楽しみにしています!